見えるもの 見えざるもの
満ちては欠ける月の
そのとき
そのときの
姿を愛でるように
満月には満月の
三日月には三日月の
新月には星たちの
美しさを
見出だすように
瞬間
瞬間の
揺らぎのような
刹那のような
現象
という
世界を
楽しむこと
生命
という
はたらきを
味わうこと
それが
見えるものを
愛する
ということ
雲に覆われた
夜空の上にも
いつも
月は輝いていること
雨の降る日も
嵐の夜にも
目には映らなくとも
なにひとつ
変わらずに
月の光は
降り注いでいること
そこらじゅうに
満ちていること
それを
知っている
ということ
本質を
知ること
それが
見えざるものに
基づく
ということ
見えるものを愛し
見えざるものに基づく
こと
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